Japanische Klassiker mit Furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.548 Zeichen · 47 Bildschirme
「誰が来るんだ」
「高田屋でさあ」と云って与平は角三を見た、「いけなかったかい」
「松次郎を呼んだんです」と角三が登に云った、「長屋を只で貸すという、約束の証拠がみつかった、それを見せるから来てくれといいましてね、来るという返辞でした」
「それで、どうして証人が必要なんだ」
「この人も諄いね」と左官の小助が云った。
「よけえなことを云うな」と角三が遮った、「おめえは自分の役目を心得てりゃあいいんだ、長さんも大丈夫だろうな」
「提灯を持ってゆくか」と長次が与平に振向いた、「今日は早く昏れるらしいから、読むのにあかりが要ると思うんだが」
「おれがあとから持っていこう」と車力の正吉が云った、「呼んでくれればすぐに駆けつける、それでいいだろう」
登は黙った。かれらがなにをしようというのか、自分がどういうことの証人になるのか、まるで見当もつかないが、かれらは話す気はないらしいし、事はまもなく始まるようだから、黙って見ているよりしかたがあるまいと思った。――おたねが登に茶を淹れて来、正吉が立ちあがった。おれはうちへ帰って、提灯の支度をしておこう、みんなが通ったら原っぱの下までいって隠れてるぜ、と正吉は云いおいて出ていった。