Japanische Klassiker mit Furigana
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あかひげしんりょうたん
赤ひげ診療譚
山本 周五郎
Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.548 Zeichen · 47 Bildschirme
六
むろん暇をみてやるので手っ取り早いわけにはいかず、九月末になってようやく出来あがった。角三とおたねは、このあいだに料理用の庖丁類や鍋、釜、食器などを買い集めてい、角三は九月いっぱいで「灘紋」をやめた。――なおいろいろな準備はあったが、十月十五日に店開きをし、ともかく二人でしょうばいを始めた。正月のいそがしい時期が過ぎたら祝言をしよう、長屋の眼があるから、それまではお互いに身を固く、という約束もした。
「それから半月経って、高田屋から立退けといって来たのだ」と去定は語った、「しょうばいはうまくすべりだし、馴染の客も付き始めていたそうだ」
それだけではなく、角三は十余年かかって溜めた金(その中にはおたねの分も含まれていた)を、その店にすっかり注ぎ込んだうえ、酒屋その他の商人に借りもできていた。
六
いまそこを追い出されれば、角三は借金を背負ったうえすっ裸になってしまうし、おたねはまた茶屋奉公にでも出なければならない。それで長屋ぜんたいが相談をし、高田屋と交渉して来た。
「だが、保本も聞いたとおり、高田屋は承知をしない、護国寺が尻押しをしているかいないかはともかく、町役連中も土地の繁昌という餌で、高田屋のみかたに付いていることは事実だ」