Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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あかひげしんりょうたん

赤ひげ診療譚

山本 周五郎

Lesen Sie 赤ひげ診療譚 (あかひげしんりょうたん) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 22.626 Zeichen · 45 Bildschirme

Aozora Bunko

が来るのはたいてい昼のうちだが、おきぬは彼を見るとたちまちうわのそらのようになって、酒肴の支度に走りまわったあとは、あぶら照りの土用ちゅうでも雨戸を閉めてしまう。それでも静かにしているのならいいが、殆んど野放しといったあんばいで陽気にふるまう。やわになっている根太が抜けるかと思うほど、どしんばたんとひどい音を立てたり、咆えたり、泣き喚いたりするので、たいていあけすけなことに馴れている隣り近所の人たちも胆をぬかれ、わけのわからない子供などはしばしば、「おばさんが殺されるよ」と怯えた。おまけにそのあと、おきぬはさばさばしたような顔で、あたし、「うちの人」を怒らしちゃってひどいめにあわされちゃったわ、泣いたの聞えたかしら、などと云ってまわりのかみさん連中をくさらせるのであった。

それだけではない、彼女はこの長屋の男たちにもちょっかいを出した。老若も好き嫌いの差別もなく、隙さえあれば誘いかけるし、使いにゆけば見知らぬ男をくわえて来る。そして、その弱味をごまかすためだろう、長屋じゅうを廻っては人の蔭口をきいた。それもおそろしく毒のある蔭口で、「あそこのおかみさんが誰それと寝ていた」