Japanische Klassiker mit Furigana
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のわき
野分
Lesen Sie 野分 (のわき) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 93.508 Zeichen · 189 Bildschirme
五
「うん。しかし江湖雑誌で聞けばすぐわかるさ。何でもほかの雑誌や新聞にも関係しているかも知れないよ。どこかで白井道也と云う名を見たようだ」
音楽会の帰りの馬車や車は最前から絡繹として二人を後ろから追い越して夕暮を吾家へ急ぐ。勇ましく馳けて来た二梃の人力がまた追い越すのかと思ったら、大仏を横に見て、西洋軒のなかに掛声ながら引き込んだ。黄昏の白き靄のなかに、逼り来る暮色を弾き返すほどの目覚しき衣は由ある女に相違ない。中野君はぴたりと留まった。
「僕はこれで失敬する。少し待ち合せている人があるから」
「西洋軒で会食すると云う約束か」
「うんまあ、そうさ。じゃ失敬」と中野君は向へ歩き出す。高柳君は往来の真中へたった一人残された。
淋しい世の中を池の端へ下る。その時一人坊っちの周作はこう思った。「恋をする時間があれば、この自分の苦痛をかいて、一篇の創作を天下に伝える事が出来るだろうに」
見上げたら西洋軒の二階に奇麗な花瓦斯がついていた。
五
ミルクホールに這入る。上下を擦り硝子にして中一枚を透き通しにした腰障子に近く据えた一脚の椅子に腰をおろす。焼麺麭を噛って、牛乳を飲む。