Japanische Klassiker mit Furigana
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つげびと
野菊の墓
伊藤 左千夫
Lesen Sie 野菊の墓 (つげびと) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.955 Zeichen · 71 Bildschirme
かれが行動の確信あるがごとくにして、その確信の底がぬけているところ、かれが変人たるゆえんではあるが、しかしながらかれは確信という自覚があるかどうか、確信の自覚がないのに底ぬけを気づくべきはずのないのはあたりまえだ。おそらくかれには確信という意識はないにちがいない。確信も意識もないにしても、かれの実行動は緊張した精神をもって毅然直行している。その脈絡のていどや統一の範囲は、もうすこしたってみねばわからぬが、とにかく一部の脈絡と統一とはじゅうぶんみとめることができる。みょうな変人があったものだ。
なにひとつ人にすぐれたことのない人間からみると、ああいう人間のほうがたしかにおもしろい。あまりよく他と調和する人間にろくなやつはないけれど、そのろくでもないやつのほうが、この世の中ではたいてい幸福であるのがおかしい。
自分と花前とをくらべて考えるとおもしろい対照ができる。われわれは問題の大小を識別して、いつでも小問題をごまかしているが、花前は問題の大小などいう考えがはじめからなくて、なにごともごまかすことが絶対にできない。であるからわれわれは、近い左右前後はいつでもあいまいであるけれど、遠い前後と広い周囲には、やや脈絡と統一がある。