Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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つげびと

野菊の墓

伊藤 左千夫

Lesen Sie 野菊の墓 (つげびと) von 伊藤 左千夫 (いとうさちお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 34.955 Zeichen · 71 Bildschirme

Aozora Bunko

じつにきのどくというて、このくらい悲惨なことはすくなかろうと、安藤は長ながと話しおわって嘆息した。

主人もことばのかぎりをつくして同情した。しんせつな安藤はともかくも治療の見込みがすこしでもあるならば、一日も見てはいられぬといって辞し去った。

安藤は去ってから三日めに、車を用意して自身むかえにきた。花前は安藤のいうことをこばまなかった。いよいよ家をでるときには主人にも、ややひととおりのあいさつをして、厚意を謝した。台所へでて、無言にタアちゃんをだいたときには、家のものみなが目をうるおした。花前が去ったあと、あのはしの話を聞きたかったけれど、なんだかきのどくで聞かれなかったと下女も涙をふいた。

十日ほどたって、主人は花前を青山の脳病院におとのうてみた。花前は非常によろこんだ。話しするところによると精神のほうはますますよいようであるが、それと反比例にからだのほうはたいへん疲れてるように見えた。それから二十日ばかりして、花前は死んだと安藤から知らせてきた。