Japanische Klassiker mit Furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Lesen Sie 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 12.006 Zeichen · 25 Bildschirme
七
「あ、多与里さん」
「ア、ア、ア」
近寄る八五郎の顔を見て、唖娘は涙を流すばかり。
「待て待て、八、その縄を解いちゃならねエ」
平次は近寄ってよくよく縄の具合を見た上、静かに解いてやりました。
「お雪とお六はどうしたでしょう、親分」
「心配するな。裏の方の家で顫えているよ」
「行って見て来ますよ」
飛んで行ったガラッ八。そこには平次の予言に少しも違わず、妹娘のお雪は、婆やのお六と真っ蒼になって、ただうろうろしているのでした。
七
「八、こいつはお前の手柄だ。よく落着いて考えろ」
「ヘエ――」
平次はお雪、多与里、お六の三人を下っ引の辰に見張らせ、駆け付けた近所の衆を、町役人と番所と、土地の御用聞のところへ駆けさせて、さて改めて八五郎にこう言うのでした。
「まず、あの穴蔵の金は、丸橋忠弥の遺した金じゃねエ。痣の熊吉が盗み溜めた金だろう。――それを滝三郎はせっぱ詰って、お前にやって口を塞ごうとした」
「ヘエ――」
「お前という人間の正直さを知らなかったのだ。その滝三郎のヘマさ加減を見て、痣の熊吉は腹を立てた。こんな相棒を生かしておいちゃどんな失策をやらかすか解らないと思ったから、一と思いに殺して、お前にやると言った金を隠してしまった。