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Japanische Klassiker mit Furigana

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がん

雁

森 鴎外

Lesen Sie 雁 (がん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.950 Zeichen · 147 Bildschirme

Aozora Bunko

ある。窓に据わっていて、池の景色を見る。往来の人を見る。今跳ねたのは大きな鯉であった。今通った西洋婦人の帽子には、鳥が一羽丸で附けてあった。その度毎に、「お玉あれを見い」と云いたい。それがいないのが物足らぬのである。

三日四日となった頃には、次第に気が苛々して来て、女中の傍へ来て何かするのが気に障る。もう何十年か奉公人を使ったことがないのに、原来優しい性分だから、小言は言わない。只女中のする事が一々自分の意志に合わぬので、不平でならない。起居のおとなしい、何をしても物に柔に当るお玉と比べて見られるのだから、田舎から出たばかりの女中こそ好い迷惑である。とうとう四日目の朝飯の給事をさせている時、汁椀の中へ栂指を突っ込んだのを見て、「もう給仕はしなくても好いから、あっちへ行っていておくれ」と云ってしまった。

食事をしまって、窓から外を見ていると、空は曇っていても、雨の降りそうな様子もなく、却って晴れた日よりは暑くなくて好さそうなので、気を晴そうと思って、外へ出た。それでも若し留守にお玉が来はすまいかと気遣って、我家の門口を折々振り返って見つつ、池の傍を歩いている。