Japanische Klassiker mit Furigana
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がん
雁
Lesen Sie 雁 (がん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.950 Zeichen · 147 Bildschirme
弐拾参
「しかし三十分立つまでどうしているのかい」
「僕はこの辺をぶらついている。君達はどこへでも往って来給え。三人ここにいると目立つから」
僕は岡田に言った。「そんなら二人で池を一周して来ようか」
「好かろう」と云って岡田はすぐに歩き出した。
弐拾参
僕は岡田と一しょに花園町の端を横切って、東照宮の石段の方へ往った。二人の間には暫く詞が絶えている。「不しあわせな雁もあるものだ」と、岡田が独言の様に云う。僕の写象には、何の論理的連繋もなく、無縁坂の女が浮ぶ。「僕は只雁のいる所を狙って投げたのだがなあ」と、今度は僕に対して岡田が云う。「うん」と云いつつも、僕は矢張女の事を思っている。「でも石原のあれを取りに往くのが見たいよ」と、僕が暫く立ってから云う。こん度は岡田が「うん」と云って、何やら考えつつ歩いている。多分雁が気になっているのであろう。
石段の下を南へ、弁天の方へ向いて歩く二人の心には、とにかく雁の死が暗い影を印していて、話がきれぎれになり勝であった。弁天の鳥居の前を通る時、岡田は強いて思想を他の方角に転ぜようとするらしく、「僕は君に話す事があるのだった」