Japanische Klassiker mit Furigana
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がん
雁
Lesen Sie 雁 (がん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 73.950 Zeichen · 147 Bildschirme
拾参
好い加減にしろ」末造は存外容易に弁解が功を奏したと思って、心中に凱歌を歌っている。
「だってお前さんのようにしている人を、女は好くものだから、わたしゃあ心配さ」
「へん。あが仏尊しと云う奴だ」
「どう云うわけなの」
「己のような男を好いてくれるのは、お前ばかりだと云うことよ。なんだ。もう一時を過ぎている。寝よう寝よう」
拾参
真実と作為とを綯交にした末造の言分けが、一時お上さんの嫉妬の火を消したようでも、その効果は勿論 palliatif なのだから、無縁坂上に実在している物が、依然実在している限は、蔭口やら壁訴訟やらの絶えることはない。それが女中の口から、「今日も何某が檀那様の格子戸にお這入になるのを見たそうでございます」と云うような詞になって、お上さんの耳に届く。しかし末造は言分けには窮せない。商用とやらが、そう極まって晩方にあるものではあるまいと云えば、「金を借る相談を朝っぱらからする奴があるものか」と云う。なぜこれまでは今のようでなかったかと云えば、「それは商売を手広に遣り出さない前の事だ」と云う。末造は池の端へ越すまでは、何もかも一人でしていたのに、今は住まいの近所に事務所めいたものが置いてある外に、竜泉寺町にまで出張所とでも云うような家があって、学生が所謂金策のために、遠道を踏まなくても済むようにして