Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme

Aozora Bunko

「ま、いいや。さ、早くかえってごはんだ。おなかすいたろ。かあちゃんも食べ直しだ。」

すると夏樹は、はじめて真底から安心したらしく、

「おかあちゃん、だーいすき。」

「なに、いってやがんでエ。」

つかんでいた手をつなぎ直してふると、

「だってさ、おかあちゃんはぼくがみなしごになってかわいそうだったから、助けてくれたんだね。」

「そうだよ。」

「だからあ、ぼくも、兵六さん助けたんだよ。」

こんなことをいわれると、安江はすぐ感激してしまうくせがある。このチビがもうそんなことを考えていたのかという思いで、この自分を母とよぶ、産みもせぬ子供の成長の見事さに圧倒されるのだ。音枝にしかられて、我をはりとおし、ついには家をとび出したことさえ、個性のたくましさのように思えたりして、たのもしくなる。

「くれてやりたがりやだねお前も。でもさ、そりゃあ、お人よしのすることなんだよ。チビのくせに、相談もしないでさ。もうこれからは、だめだよ。」

しかし夏樹の確信は相当なものだ。それは安江の、おこっていないらしく見える態度がもたせた確信かもしれぬ。彼はいうのだ。

「でも、あのおかねは、あげたっていいんだね。