Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし考えてみれば、それは、まるで夏樹にいうような甘っちょろい言葉である。といって単刀直入に、浜子の事件をいい出すのもはばかられた。とはいえ、一言だけはいったのである。

「浜ちゃんが、どっかへいって帰らないんだがね――」

すると冬太郎はすなおにおどろき、

「ほんとう? どこへいったんだろう。」

まじめに心配する顔色をみて、安江はほっとした。ここにはまだけがれのない魂があると思った。それは進君とのやりとりに比べても、そう信じるよりほかなかった。さっき進君は、安江の姿をみただけでもううろたえていた。安江が、それこそ単刀直入に、

「進さん、へんなこと聞くようですけど、あんた、浜ちゃんとは何もなかったの。」

すると進君はまっかな顔をして、へどもどしながら、

「あの、いいえ。」

安江はつい、かさにかかったものいいをしてしまったかと気がつき、わざとやわらかく、

「ね、浜ちゃんのことで、何か気がついたことあったら、聞かしてくださいよ。わりあい、あんたには何でもいってたんじゃなかった?」

「…………」

「浜ちゃんが、うちを出たがってたのは知ってたでしょ。」

「あれは、僕が先にいい出したんじゃあないです。