Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
しかし兵六さんにとっては女の耳かざりなどに興味はなかった。人の姿さえみると、――ええかなものに雑貨、とやり出すのだ。そのこともまた夏樹にとっては耳かざり以上の興味だった。
「兵六さん、ずい分お金もうけるね。」
売上げの全部が利益だとでも思っているらしい。そして夏樹はやがて自分も一しょになって、兵六さんの口まねで呼びかけたりした。
――荒物にかなもの、化粧品に雑貨、子供のおもちゃからおねえさんのクリーム、おとうさんのひげそりも、おかあさんのちり紙もあります。買ってください、買って下さい――
なかなか当意即妙だった。孫をつれた哀れなじいさんとでも思ってか、それらしく話しかけて申しわけのように何かを買ってゆく客もあったりした。
「さあ、夏樹ちゃん、もう帰ったり、帰ったり。」
きりもなくついてこようとする夏樹を半ば追い払うようにして帰らせた時には、もう大分家を離れたところまできていた。
「じゃあ、またこんど、一しょに売り屋さんになるね。」
夏樹はそういって二ちょうけん銃でかけ出した。夏の日はまだ高いとはいえ、かた側のかげった道を一さんに走りながらふと、忘れていたおねえちゃんの言葉が浮んできた。