Japanische Klassiker mit Furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
「へえ、そうかね。」
兵六さんはひょうひょうとして、
「また、どんな風の吹き回しかね。」
「六十になっても、男なんてだらしがないってことなのよ。」
「そうかね。一体、なにが、だらしないのかね。」
「自分の胸にきけば、いいじゃないの。」
「胸にきくか。胸が何ともいわなんだらどうする。」
浜子は突然笑い出し、
「二三子さん、それ、わたしのことでしょう。そうなら心配御無用ですわ。」
二三子の背中に笑顔をむけていったが、二三子はふりかえりもせず、
「厚かましいのね。」
「すみません。厚かましいのは持前で、ついやどかりみたいに人の巣にもぐりこんじゃいましたの。でも、許しをこうにも宿主の奥さんやお嬢さん、家をすててったままゆくえがしれなかったんですもの。」
われながらあくどいなと思いながら、これまでに何度となく聞き知っていた兵六さんの問わず語りをうまくつかんで皮肉っている浜子だった。予感的中である。気をもむ立場の兵六さんは、問題のこじれを防ぐつもりで、つい持前の方便をつかった。
「二三子よオ、よくも話聞かずに勘ぐりはやめろよ。浜ちゃんはお前、いろいろ事情があって、わしが中野のお安さんからたのまれて、あずかったんじゃないか。