Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme
喜久男くんのが、ちゃんとありますからね。」
「五月人形がね。」
「ちがいますよだ。おひなさまですよだ。ぼくのだよって喜久男くん、いいましたからねだ。」
「そうですかねだ。そんなら喜久男くん、どっかへオチンチンおとしたんだろうねだ。」
これには夏樹も笑い出してしまった。しかしそれで負けたと思ったらしく、一しょにふき出した姉の音枝に突然むしゃぶりついた。
「このやろ! よくも笑ったなッ。」
ひな段をせい一ぱいにぎわしてやろうとて、家中の郷土人形を集めて飾りつけていた音枝は、思わずよろけて夏樹の足をふんだ。
「あたアあたア。」
大げさな声で、骨がくだけでもしたように両手で足の先をかかえこんだ夏樹は、ごめんね、と音枝にいわれると、時を得たように泣き出した。そのこけおどしの大声をきくと、安江はどなりつけた。
「なにさ! 男のくせに。」
しかし夏樹はますます声を高くして泣き立てた。こんな時の手である。二針も縫わねばならないほどの傷をしても大して泣かなかったりするくせにと、安江は更にどなった。
「あまったれ泣き! あられもひしもちも買ってやらないから。」
「いやだア。」
おーん、おーんと、よくもこんな声がとあきれるような泣き声である。