Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ざっきょかぞく

雑居家族

壺井 栄

Lesen Sie 雑居家族 (ざっきょかぞく) von 壺井 栄 (つぼいさかえ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 140.106 Zeichen · 283 Bildschirme

Aozora Bunko

また音枝が先にのりまわした。そしてけんかである。

「自転車がいいんだア。自転車ア。」

すると安江が冬太郎をしかりつける。

「自転車はおねえちゃんの。冬坊のは三輪車です。」

やあい、と音枝がはやすと冬太郎はむしゃぶりついてゆこうとする。頭ばかりでかくてからだの小さい冬太郎はすぐころぶし、きゃしゃで身軽な音枝の逃げ足は早い。

「やあい、冬坊トがつくとん十郎。とろろんのとりぶくろで、とったかとったか。」

なぶられると冬太郎はくやしがって安江に泣いてうったえる。

「おねえちゃんがなぶったア。」

しかし安江は音枝がしかれない。いわば三輪車も四輪車も冬太郎のものなのだ。安江はそれがいいたくない。

「おねえちゃんはね、大きいからいまにあの自転車にのれなくなるよ。そしたら三輪車も四輪車も、冬坊のものだがね。」

冬太郎はにこにこして言いかえしにゆく。

「おねえちゃんなんか、いまにのれなくなるよーだ。そしたら三輪車も四輪車も、冬坊のだよーだ。」

すると音枝はいい気になっていいかえす。

「そしたら今に、神戸のおじちゃんがほんとの自転車おくってくれますよーだ。」

冬太郎はまた泣き顔になってうったえにもどる。