Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきやなぎ
雪柳
泉 鏡花
Lesen Sie 雪柳 (ゆきやなぎ) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 45.054 Zeichen · 90 Bildschirme
て、跣足で弱々と来てすれ違った。次男の才子は、何と思ったか傘を開いた。これは袖で抱込む代りの声のない初心な挑合であったろう。……身に沁む、もののあわれさに、我ながら袖も墨染となって、蓮の葉に迎えようとしたと、後に話した、というのは当にならぬ。血気な男が、かかる折から、おのずから猟奇と好色の慾念が跳って、年の頃人の妻女か、素人ならば手で情を通わせようし、夜鷹ならば羽掻をしめて抱こうとしたろう。
婦は影のように、衣ものの縞目を、傘の下に透して、つめたく行過ぎるとともに、暗く消えた。
その摺れ違った時、袖の縞の二条ばかりが傘を持った手に触れたのだったが、その手が悚然とするまで冷え透る。……
持ちかえて、そのまま傘を畳んで歩行き出すと、ものの一二町の間というのに、女の袖の触った片手――内々握ったかも知れないが――腕から肩の附根まで、その冷たさ氷のごとし。振ってみても、敲いてみても、しびれるほどで感じがない。……
今も講談に流布する、怪談小夜衣草紙、同じ享保の頃だという。新吉原のまざり店、旭丸屋の裏階子で、幇間の次郎庵が三つならんだ真中の厠で肝を消し、表大広間へ遁上る、その階子の中段で、やせた遊女が崩れた島田で、うつむけにさめざめ泣いているのを、小夜衣の怨霊とも心附かず、背中をなでると、次郎庵さん、と顔を上げて、