Japanische Klassiker mit Furigana
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しんさいにっし
震災日誌
喜田 貞吉
Lesen Sie 震災日誌 (しんさいにっし) von 喜田 貞吉 (きたさだきち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.617 Zeichen · 40 Bildschirme
●嬉しき便り(二)
そのあとへヒョッコリ案じている二人がやって来た。「父は来ていませんか」という。その父は血眼になって君らの行衛を尋ねているのだ、一刻も早く帰り給えと、シャツなど取りかえさせ、着がえや罐詰などを持たせて送り出す。これでやっとその二人も無事であったことだけはわかった。が、まだそのほかに嫁して浅草にいる叔母の長女すなわち妻には従妹のもとへ、先日来三女が逗留していたが、それも焼け出されたので、消息がまだわからぬ。本所に来ている妻の妹の安否も知れぬ。それらも無事であれかしと祈りつつ次男らの帰りを待つ。
夜に入って始めて電燈がついた。電力不足のため当分一家一燈を限ると制限されたが、それでもいくら気分が陽気になったか知れぬ。そこへ次男らが帰って来た。その報告によると、帰路浅草へ廻って従妹の家を見て来たが、焼け跡に一同妻の実家へ避難した趣を書いてあったという。これでまた一つ安心が殖えた。
●嬉しき便り(二)
九月五日(水)震災第五日。一日以来引続き夜警に引き出されて、連夜睡眠不足ながうえに、宅のあたりも至って物騒なので、昨日まではあまり遠あるきもしないでいたのであったが、今は大分秩序も立って来て、警戒の方も前ほどではなくなり、そのうえ嬉しい便りをも聞いたので、昨夜はゆっくり熟睡することも出来た。