Japanische Klassiker mit Furigana
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せいねん
青年
Lesen Sie 青年 (せいねん) von Mori Ōgai (森 鴎外) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 123.670 Zeichen · 246 Bildschirme
そんな人柄なので少し話を文学や美術の事に向けようとすると、顧みて他を言うのである。ようようの思でこの人に為て貰った事は巴里の書肆へ紹介して貰っただけである。
こんな事を思っている内に、故郷の町はずれの、田圃の中に、じめじめした処へ土を盛って、不恰好に造ったペンキ塗の会堂が目に浮ぶ。聖公会と書いた、古びた木札の掛けてある、赤く塗った門を這入ると、瓦で築き上げた花壇が二つある。その一つには百合が植えてある。今一つの方にはコスモスが植えてある。どちらも春から芽を出しながら、百合は秋の初、コスモスは秋の季に覚束なげな花が咲くまで、いじけたままに育つのである。中にもコスモスは、胡蘿蔔のような葉がちぢれて、瘠せた幹がひょろひょろして立っているのである。
その奥の、搏風だけゴチック賽に造った、ペンキ塗のがらくた普請が会堂で、仏蘭西語を習いに行く、少数の青年の外には、いつまで立っても、この中へ這入って来る人はない。ベルタンさんは老いぼれた料理人兼小使を一人使って、がらんとした、稍大きい家に住んでいるのだから、どこも彼処も埃だらけで、白昼に鼠が駈け廻っている。
ベルタンさんは長崎から買って来たという大きいデスクに、千八百五十何年などという年号の書いてある、クロオスの色の赤だか黒だか分からなくなった書物を、乱雑に積み上げて