Japanische Klassiker mit Furigana
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おんぱのさつじん
音波の殺人
野村 胡堂
Lesen Sie 音波の殺人 (おんぱのさつじん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.399 Zeichen · 30 Bildschirme
スタートの踏直し
それが多分、鳥子の本音だったでしょう。
「本当かそれは」
千種十次郎は急に熱心になりました。
「本当ですとも、私は眼が良いのが自慢なんです」
夫と若菜の連弾を覗いた鳥子、それ位のことを本当に見たのかも知れません。
「よし、それでは考え直そう、踏台さえ見付かれば此方のものだ、石でも、木でも」
「――――」
「窓は本当に開いて居たんだろうな」
と千種十次郎。
「若菜さんは熱がりで、ピアノや歌の稽古の時は、何時でも窓を開けますよ」
千種十次郎の顔は次第に真剣になります、早刻早坂勇から聴いた、岡崎の言うのが本当か、それとも鳥子の方が本当か、もう一度スタートを踏み直して考える必要があります。
スタートの踏直し
「勇、やり直しだ、少し手伝ってくれ」
暮れかかる夕陽を惜むように、千種十次郎は、新聞記者の控室から、早坂勇を誘い出しました。
「それは宜いが、――藤井薫が引かれて行ったぜ」
早坂勇はキョトンとして居ります。
「本当かい、それは」
「岡崎敬之助が告発したのさ、――俺に言った通りの事を言えば、警官は一応調べなければなるまい」
「仕様の無い奴だな」
「世間では若菜の愛が藤井から岡崎へ移りかけて居たように言うが、どうも、それは岡崎のデマらしいよ、藤井はあの通りの美男で、その上伴奏弾という武器を持って居るのに、岡崎と来た日にゃ、どう見ても三枚目