Japanische Klassiker mit Furigana
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おんぱのさつじん
音波の殺人
野村 胡堂
Lesen Sie 音波の殺人 (おんぱのさつじん) von 野村 胡堂 (のむらこどう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 15.399 Zeichen · 30 Bildschirme
博士の自首
博士は顔を挙げて、一方だけ開った窓の彼方、真っ黒な夜の空を眺めやりました。其処には、二丁程距てて、この篤学の博士を捨てた、流行歌手若菜が、乱倫極まる生活を営んで居る筈だったのです。
「先生、――奥さん――若菜さんが殺されましたよ」
「何?」
「私はそれをお知らせに来たのです」
千種十次郎は到頭言う可きことを言って了いました。
「本当か、それは? 何時頃だ」
長島博士はいきなり立上ると、窓枠に手を掛けて、遥か、若菜の家の方を見据えて居ります。
「今から二時間ほど前、丁度十一時だった相です」
「あの時だ、俺はこの機械の試験を十時から始めた、十一時は丁度性能を一パイに働かせた時だ、それから少しずつ弱くした」
「先生」
「見るが宜い、俺に反いた女は、到頭殺されてしまった、――職業を奪われる前に、命を奪われてしまった、――」
長島博士は千種十次郎の肩へ手を掛けて、大に笑おうとした様子でした。が、その笑いは喉にコビリ付いて、泣くような、咽ぶような、異様な声に変って行くのです。
巨大な機械は、相変らず、小さいが強大な唸りを続けて居ります。
博士の自首
「勇、御苦労だったな、編輯局長は大喜びだぞ、社長から電話でうんと褒めて来た相だよ、他の新聞は二三十行しか書けなかったのを、うちの新聞は半頁以上書いたからなア」