Japanische Klassiker mit Furigana
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かぜにのってくるコロポックル
風に乗って来るコロポックル
宮本 百合子
Lesen Sie 風に乗って来るコロポックル (かぜにのってくるコロポックル) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.458 Zeichen · 39 Bildschirme
いつ死ぬか解らない。その死目にでも会えないで、彼に譲るべき物を、あらいざらい、どこの馬の骨だか解らない和人(シサム)達にごちゃまかされたら、一体どう仕様というのだ。東京へだけは行ってくれるな!
豊が、こんなにして、生きているうちから、彼の土地を売ろうと云っているにも拘らず、自分が死ぬとき、彼に財産の譲れないことを恐れているのである。
自分が死ぬとき、財産を譲れないことになりはしまいかという心配に到達すると、イレンカトムの頭は、豊の性格を考えているだけの余裕はない。
彼がどんなに、無雑作な陽気な顔付で、有り限りの土地を売り払うかということは考えない。豊の心にとって、年中黙りこくり、真黒けで世話を焼かなければ薯(いも)一つ出さないような地面より、金色や銀色にピカピカと光り、チャラチャラとなり、陽気で賑やかで、その上強い権力を持っている者の方が、どんなに魅力があるかとは考えないのである。
イレンカトムは、泥棒だの人殺しの巣のような処に思える東京へ息子を遣るくらいなら、もっと早いうちに自分が死んででもいた方が、どんなに仕合わせであったろうとさえ思う。
彼は夜もおちおちとは眠らずに、家の守神を始め天地の神々に祷(いの)りを捧げ、新らしいイナオ(木幣)を捧げて、息子の霊に乗り移った悪魔があったら、追い出して下さること