Japanische Klassiker mit Furigana
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かぜにのってくるコロポックル
風に乗って来るコロポックル
宮本 百合子
Lesen Sie 風に乗って来るコロポックル (かぜにのってくるコロポックル) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 19.458 Zeichen · 39 Bildschirme
を振り廻しながら、蝗(いなご)のように、だんだん小さくなって彼方の丘の雑木林へ消えて行く豊坊の姿を、イレンカトムは、自慢の遠目で見える限り見つづける。
そして、失望と希望の半分ずつごっちゃになった心持で、またコツコツと土を掘り続けるのである。
二
野も山も差別なく馳け廻っては馬を追い、鳥を追いして育った豊は、まるで野の精のように慓悍(ひょうかん)な息子になった。
偉い者になるなるとは云いながら、小学の三年を終るまでに、四五年も掛った彼は、業を煮やして翌年の春から、もう学校へ行くことは止めてしまった。
そして、彼の意見に従えば、出世の近路である馬車追いが、十三の彼の職業として選ばれたのである。
イレンカトムは、単純に、息子が早く一人前の稼ぎ人になれることを喜んで、むしろ進んで賛成した。
豊坊も、とうとう今度は立派な青年(ウペンクル)に成るのだ、馬車追いになるのだというような事を、彼一流の控え目勝な調子で触れ廻りながら、イレンカトムは、ほくほくしずにはいられなかった。いくら強情だとか、腕白だとか云っても、貴方達の十三の息子に、馬車追いの技(うで)がありますかというような、誇らしい心持にもなる。