Japanische Klassiker mit Furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lesen Sie 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) von 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.693 Zeichen · 377 Bildschirme
それよりは同じ位のもので、青山延于の『皇朝史略』の方を好んだ。そこで日本の南北朝時代を、通鑑綱目のような体裁で書いた物があれば好いと思い、その結果遂に自分で書いて見ようと思い立った。尤も明教館の書物といってもさほど材料もないが、とかくそれが書いて見たいので及ぶだけ他書をも渉猟して、後醍醐天皇御即位の年より、後亀山後小松両天皇の和睦せられて、南北朝の合一するまでを書き終えた。しかしそれは誠に疎笨極まるもので、今から考えればよくあんな物を書いたと、当年の子供心を可笑く思うばかりである。
けれどもそれが今もなお存していたら、今昔の感を叙する種にもなったろうが、ちょうどそれを書き終った頃に、父が江戸から帰って来て、留守中私がそんな事に耽っていたのを見ると機嫌が好くなくて、『まだ手前はそんな事をするよりも、充分経書を勉強せねばならぬのだ。』といって、一日大いに叱った。私は父のいう事といえばよく守ると共に、信ずる事も厚かったから、これは自分の過ちだと思い、沢山の草稿になっている手作の南北朝綱目を、庭の大竈の中へ投込んで一片の煙としてしまった。それからは父のいう如くもっぱら経書の研究をする事になった。