Japanische Klassiker mit Furigana
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めいせつじじょでん
鳴雪自叙伝
内藤 鳴雪
Lesen Sie 鳴雪自叙伝 (めいせつじじょでん) von 内藤 鳴雪 (ないとうめいせつ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 192.693 Zeichen · 377 Bildschirme
御暇のあったような話もきかなかった。尤も私どもは、このお妾を始め凡ての女中の顔を見た事もない。或る式日は奥の老女と中老のみが表の御居間へ、御礼を申上げに出て来る、その顔は見る事がある。昔の風としていかに年を取っていても白粉や臙脂をつけ、なお式日に依ては額に黛を描いている事もあった。帯も何だか左右へ翅を広げたように結んでいた。その外我々が奥の女中と出逢う事は、世子の何かの御用とか、あるいは今いった六回だけ奥へ行かれる時とかに、奥と表の間の廊下の御鈴口という所で出逢うのである。この御鈴口は常には閉めて、表裏に錠が下りて、どちらからか用があれば鈴を鳴らす。すると出掛けて行くが、小姓でも最先輩でなくてはここへ行く事は出来ない。そして用事を話し合うといっても、お鈴口の敷居を互に越す事は出来ない。敷居を隔てて手を突いて話し合う。世子を奥へ送る時でもこの御鈴口限りで、小姓は例の持っている小刀を女中に渡す。それと共に世子は奥へ行かれる。お鈴口はチャリンと錠が下りる。これもなんだか囚人の受取渡しでもするような有様であったのだ。
他の藩でもそうであろうが、私の藩で家老と他の藩士とは、非常の等差のあったもので、家老はその他の藩士を何役であろうが呼び捨てにする。