Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おうがいのおもいで

鴎外の思い出

小金井 喜美子

Lesen Sie 鴎外の思い出 (おうがいのおもいで) von 小金井 喜美子 (こがねいきみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 127.675 Zeichen · 254 Bildschirme

Aozora Bunko

お天気が晴候まま、庫に入り古トランクをかきまわしたる所、こんな古書が出ました故、御手元へさし上げます。誠に御不沙汰いたします。漸く涼しくなり候まま、近日御伺いいたします。九月十三日、鶴所。

中に兄からの電報が封入してありました。私の縁談の時のもので、こちらからは何とお打ちになったのか知りませんが、それには仏蘭西語で、ただ「承諾」の一語があるのでした。電報用紙は桃色の縦四寸、横五寸余のもので、封筒にはいっています。千八百八十八年とありますから、随分古いものなのです。賀古氏の小川町の病院は震災に焼けましたが、蔵が一つ残りましたので、その中にあったものと見えます。

次兄篤次郎は賀古病院で終ったのですが、その頃は随分お盛んのようでした。次兄の臨終の後で、私どもと夜の更けるまで話していて下さるので、お疲れでしょうから、お休みになっては、と申しましたが、おはいりになりません。通夜をして下さるお心持と見えました。ちょうど長兄が旅行中で留守でしたので、幾分かそのためもあったのでしょう。

病院が手狭と見えて、お住いは小石川水道町でした。召使を代えたいからとのお話で、旧津和野藩の人の娘をお世話したことがありました。