Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme
「うん、まさに小気味よい敗北さ。実は、僕も忸怩となっているところなんだよ」法水は何故か伏目になって、神経的な云い方をした。「先刻僕は、鍵の紛失した薬物室に犯人を秤るものがあると云った。また、易介の死因に現われた疑問を解こうとして、レッサーの著書に気がついたのだ。ところが、その結果、理智の秤量が反対になってしまって、かえってこっちの方が、犯人の設えた秤皿の上に載せられてしまったのだよ。しかし、こうやって嗤いの面を伏せておくところを見ると、案外あの著述にも、僕が考えたような本質的な記述はないのかもしれない。とにかく、易介の殺害も、最初から計画表の中に組まれてあったのだよ。どうして、あの死因に現われた矛盾が、偶然なもんか」
法水は、彼がレッサーの著述を目した理由を明らかにしなかったけれども、ともかくそこに至るまでの彼等の進路が、腑甲斐ないことに、犯人の神経繊維の上を歩いていたものであることは確かだった。のみならず、ここで明らかに、犯人が手袋を投げたということも、また、想像を絶しているその超人性も、この一つで十分裏書されたと云えよう。やがて、旧の書庫に戻ると、法水は未整理庫の出来事をあからさまには云わず、鎮子に訊ねた。