Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme
さっそく熊城が法水の云うとおりにすると、最初に「腑分図」の上方にある灯が消え、続いて、右手のド・トリー作「一七二〇年馬耳塞の黒死病」の上方から、右斜めに落ちている一つも消えたので、階段廊に残っている光と云えば、左手のジェラール・ダヴィッド作「シサムネス皮剥死刑之図」の横から発して、「腑分図」を水平に撫でている一つのみになってしまった。が、その一燈に当る開閉器は、階段の下にあるのだった。すると、それまで現われていた渋い定着が失われて、「腑分図」の全面には、眼の眩むような激しい眩耀が現われた。さらに、最後の一つが捻られて頭上の灯が消えると、法水はポンと手を叩いて、
「これでいいのだ。やはり、僕の推測どおりだったよ」
ところが、それからしばらくの間、前方の画中を血眼になって探し求めていたけれども、三人の眼には、眩耀以外の何ものも映らなかった。
「いったいどこに何があるんだ」と床を蹴って、熊城は荒々しく怫然と叫んだ。が、その時なにげなしに、真斎が後方の鋼鉄扉を振り向くと、そこには熊城の肩を、思わずも掴ませたものがあった。
「アッ、テレーズだ!」
それは、まさしく魔法ではあるまいかと疑われたほど、不可思議奇態をきわめた現象であった。