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Japanische Klassiker mit Furigana

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こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme

Aozora Bunko

ねえレヴェズさん、あの当時、火術弩は壁に掲っていて、箭を番えたまま、幾分弓形の方が上向きになっていました。そして、その高さも、ちょうど僕等の乳辺りだったのです。ところが、ここで注意を要するのは、それを支えている釘の位置なのです。それは、平頭のものが三本、そのうちの二つは弦の撚り目へ、残りの一つは発射把手の真下で胴木を支えていたのです。勿論、その位置で自働発射をさせるためには、約二十度ほど壁と開きを作らねばなりません。つまり、その陰険な技巧と云うのは、今も云った角度を作ることと、それから、人手を藉らずに弓を絞り、さらにまた、この緊張を緩めることでした。で、それに必要だったのが、かつては津多子を斃した抱水クロラールだったのですよ」と法水は足を組み換え、新しい莨を取り出してから云い続けた。「ところで貴方は、エーテルや抱水クロラール水溶液に、低温性があるのを――詳しく云うと、その触れている面の温度を奪ってしまうのを御存じでしょうか。つまりこの場合は、弦を撚ってある木の繊維紐三本のうちで、そのうちの一本に、抱水クロラールを塗沫しておくのです。ですから、そこへ噴泉から濛気が送られたので、あの溶解し易い痲酔剤が寒冷な露滴となり、それが、塗られた一本をしだいに収縮させていったのでした。