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Japanische Klassiker mit Furigana

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こくしかんさつじんじけん

黒死館殺人事件

小栗 虫太郎

Lesen Sie 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 296.741 Zeichen · 584 Bildschirme

Aozora Bunko

と法水が指先で突いたのは、FRCOの四字を、二十八葉橄欖冠で包んである不思議な図案だった。

「これが、天正遣欧使の一人――千々石清左衛門直員から始まっている、降矢木家の紋章なんだよ。何故、豊後王普蘭師司怙・休庵(大友宗麟)の花押を中にして、それを、フィレンツェ大公国の市表章旗の一部が包んでいるのだろう。とにかく下の註釈を読んで見給え」

――「クラウディオ・アクワヴィバ(耶蘇会会長)回想録」中の、ドン・ミカエル(千々石のこと)よりジェンナロ・コルバルタ(ヴェニスの玻璃工)に送れる文。(前略)その日バタリア僧院の神父ヴェレリオは余を聖餐式に招きたれど、姿を現わさざれば不審に思いいたる折柄、扉を排して丈高き騎士現われたり、見るに、バロッサ寺領騎士の印章を佩け、雷の如き眼をりて云う。フランチェスコ大公妃ビアンカ・カペルロ殿は、ピサ・メディチ家において貴下の胤を秘かに生めり。その女児に黒奴の乳母をつけ、刈込垣の外に待たせ置きたれば受け取られよ――と。余は、駭けるも心中覚えある事なれば、その旨を承じて騎士を去らしむ。それより悔改をなし、贖罪符をうけて僧院を去れるも、帰途船中黒奴はゴアにて死し、嬰児はすぐせと名付けて降矢木の家を創しぬ。