Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こくびゃくストーリー
黒白ストーリー
杉山 萠円
Lesen Sie 黒白ストーリー (こくびゃくストーリー) von 杉山 萠円 (すぎやまほうえん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 20.356 Zeichen · 42 Bildschirme
――2――
歌寿は彼女の天才をこの上もなく愛して、「歌寿」と彫った秘蔵の爪を譲り与えて丹精を籠めて仕込んだが、いよいよ秘伝を授けるという段になって歌寿は重い喘息に罹った。
音絵は親身になって心配した。毎日家事のすきまを見ては程近い歌寿の家を訪ねて介抱してやった。ところが不思議な事には音絵が親切にしてやればやるほど、歌寿は悲しそうな淋しげな表情になるのであった。時折りは涙さえ流した。
音絵は不審に思い思いした。
――2――
音絵は相弟子でよく歌寿に尺八を合わせてもらいに来る赤島哲也という青年が居た。富豪赤島鉄平の長男で大学生であったが不成績で落第ばかりしていた。その代り尺八はかなり吹ける方で自分では非常な天才のつもりでいた。
哲也は師匠歌寿が秘蔵の名器「玉山」を是非譲ってくれと頼んだが歌寿は亡夫の形見だからと断った。
無理に譲り受けると、大自慢で他人に見せびらかした。
哲也は又かねてから音絵をねらっていた。
歌寿が病気になってからもしきりにやって来て親切ぶりを見せ、音絵と出会うのを楽しみにしていた。
音絵はいつも哲也の顔を見るとすぐに逃げ帰った。
哲也の思いは弥々増した。