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Japanische Klassiker mit Furigana

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くろネクタイぐみのましゅ

黒襟飾組の魔手

山本 周五郎

Lesen Sie 黒襟飾組の魔手 (くろネクタイぐみのましゅ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.299 Zeichen · 27 Bildschirme

Aozora Bunko

又々奇怪な脅迫状

龍介は聞き終ると、ふたたび卓子に書きつけられた朱色の文字を、叮嚀に検めなおした。

「ふーむ、いやに下手くそな字だな。ことによると、左手で書いたかも知れぬ」

そしてなおしばらく、書斎の中を精しく見まわった後、ちょっと出かけて来るからといって、子爵の邸をとび出した。

又々奇怪な脅迫状

「よし、探偵に会って意見を訊こう!」

龍介は外へ出るとそう呟いて、昨日ポケットに納っておいた名刺を取り出した。事務所は麹町区内幸町東京ビル四階とある。龍介は自動車へのると、内幸町へ向かって走らせた。

東京ビルの四階、桂河探偵事務所を訪ねると、受付に十三歳くらいの少女の給仕がいて、十時にならなければ誰も出てこないと答えた。そこで龍介は待つことにした。

「この事務所はいつごろからできたの」と龍介はお茶を持ってきた少女に訊ねた。

「存じません、私一週間ほど前にきたばかりですから」

「ああそう、探偵は何人くらいいるの?」

「さあ、桂河先生に、外に三人ばかりと、小さな助手の人が一人だけでございます」

「有難う!」

少女は受付へ戻った。龍介は応接間の中でなお十分ばかり待ったが、待ち切れなくなって立上った。