Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おごそかなかわき

おごそかな渇き

山本 周五郎

Lesen Sie おごそかな渇き (おごそかなかわき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.042 Zeichen · 71 Bildschirme

Aozora Bunko

「村田医院でしょ、知ってるわ」

「犬に気をつけるんだよ、あの犬はばか者でたちが悪いからな」

「あたしには馴れてるのよ」

「早くいっておいで」と竹中啓吉が云った、「気をつけるんだよ」

「ホワットエバー・ゴッズ・メイビイ」と松山隆二はうわごとを云った、「あなたが、どんな神々かは知らないが、もしもぼくが、あなたにとって必要なら、生かしておいて下さい、でも、もしもぼくが必要でなかったら、どうぞ、――思うままに」

「いのちはとりとめるだろう」村田医師は聴診器をしまいながら云った、「いまのは英国のなんとかいう詩人の詩の一句だよ、これはクリスチァンかもしれないな」

「ここへ運んで来る途中も、ここへ寝かせてからも」と竹中啓吉は考えふかげに云った、「云ううわごとはそれっきりでね、――だがクリスチァンじゃあねえな、エホバとも主とも云わねえんです、ホワットエバー・ゴッズとは多神教でしょう」

「わからないな」村田医師は殆んど肉のない額を横撫でにし、灰色になった疎な口髭をいじった、「――クリスチァンであろうと、多神教徒であろうと、なにか一つ信仰をもっているということだけでいいんじゃあないのかね」