Japanische Klassiker mit Furigana
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おごそかなかわき
おごそかな渇き
山本 周五郎
Lesen Sie おごそかな渇き (おごそかなかわき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.042 Zeichen · 71 Bildschirme
川には魚がいた
一
隆二は水を満たした錫のカップを見、老人の顔を見た。
川には魚がいた
一
あまり広くはないが、白く乾いた大小の石の多い河原で、松山隆二とりつ子は食事をした。彼は焼いたもろこし餅、りつ子は焼きむすびを食べた。
「あのおじいさん、なにをあんなに怒ったの」
「きっと」もろこし餅を噛みながら隆二は答えた、「きっと虫のいどころでも悪かったんだろうね」
「でもさ、水も飲ましてくれなかったじゃないの、たったいまここを出ていけって」
「あの人は牛を飼ってるんだ」
「ええ、あたし牛のなき声を聞いたわ」
「あれは泉からの湧き水でね、牛を飼うのに大切な水なんだよ」
「でもさ」りつ子は喰べながら云った、「あんなコップ一杯ぐらいの水まで返せなんて、あれでどれだけの牛が飼えるんでしょ、それにさ、ここはおらの地所だから、よそ者ははいっちゃいけないなんて、そんなことってあっていいのかしら」
彼は黙って、かちかちになったもろこし餅を噛んでいた。初めて喰べたときには香ばしくってうまかったが、いまではただぼそぼそするだけで、およそ人間の食物とは思えなくなっていた。
「ところによってはね」と彼は答えた、「――海でさえ同じことがあるんだよ」