Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おごそかなかわき

おごそかな渇き

山本 周五郎

Lesen Sie おごそかな渇き (おごそかなかわき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.042 Zeichen · 71 Bildschirme

Aozora Bunko

息子二人は二艘の沿岸漁船を持っていて、自宅の生計はたらぬながらも賄っている」

「中島漁撈長もいい人だった」と隆二はまた呟いた、「――人間が自尊心のために、家族との恩愛の情を断ち切る、ということは、立派とはいえないかもしれないが、いかにも男らしいじゃないか、――しかし、男らしいとはどういうことだろう」

枯れた篠竹で編んだ戸口があいて、竹中啓吉がはいって来た。はいって来るなり、持っていた物を脇へ置いて、炉の火へたっぷりと薪をくべた。炉には桑の木の大きな根株がくすぶっているので、薪をくべるとまもなく、炎が立ち始めた。

「済みません、考えごとをしていたので」と隆二は恥ずかしそうに云った、「焚木を入れるのを忘れていました」

「山道はもう冰り始めていますよ、風邪をひかないで下さい」

篠竹の束で囲い、藁を敷き詰めた狭い小屋の中は、隙間があるのに、思いのほかあたたかく、むしろ肌が汗ばむくらいであった。炉で炎が立ち、木のはぜる音がこころよく聞えだすと、竹中は持って来た渋紙の包みをあけ、中から二つの炭を取り出した。それは長さ三十センチ、幅十センチほどの物で、ふっくらと、いかにも軽そうにみえた。