Japanische Klassiker mit Furigana
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おごそかなかわき
おごそかな渇き
山本 周五郎
Lesen Sie おごそかな渇き (おごそかなかわき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.042 Zeichen · 71 Bildschirme
親子のあいだにさえ好悪や嫌厭がある、まして個性を持った他人どうしに、嫉視や敵対意識や、競争心や排他的な行動のあるのが当然じゃあないだろうか。人間の生きかたにはどんな規矩もない、現在あるようにあるのが自然なのだろう。
――これも繰返しだ、いつも同じところへ戻ってしまう、ロシア革命も、三十年経ってみれば、やはり権力や階級が生じ、有産者と無産者、貧富の差も出てきたようだ、あの悲惨な大量殺人と破壊によって実現したソビエット・ユニオンは、それによって人間性のなにを、慥かめることができたのだろうか。
油屋の親方はまだ饒舌っていた。りつ子はおろした鍋から、中の物を椀へすくい入れた。隆二はそのどろどろした粥のような物を見、それが粟であることを感じた。竹中から聞いた餅粟でなく、うるち粟だということが、すぐに想像できた。りつ子は味噌汁を椀に注いで出したが、汁ばかりで、ほかになにもはいっていないことも認めた。
――まるで禅僧か、西欧の修道僧のようだな、と隆二は思った。いっそのこと、ここでくらすことにしようか、竹中さんに特殊な炭の焼きかたを習って、稗や粟の粥を啜り、泉の水を飲み、この静かな山中で一生をすごしてもいいじゃあないか。