Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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おごそかなかわき

おごそかな渇き

山本 周五郎

Lesen Sie おごそかな渇き (おごそかなかわき) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 36.042 Zeichen · 71 Bildschirme

Aozora Bunko

「それは悪いよ」と彼は眉をしかめた、「お米はそうたくさんあるわけじゃないだろうし、あとでお父さんが困るじゃないか」

「もうすぐ女の人がうちへ来るの、あたし大事なお米を、そんな人に喰べさせたくなかったのよ」

隆二はどきっとした。少女の言葉よりも、そう云ったときの口ぶりに、とうてい十四歳という年齢とは思えない憎しみと、するどい嫉妬が感じられたからである。竹中啓吉の再婚する相手がどんな女性か、としが幾つかは知らない。けれども、たとえその女性が三十歳を越し、多くの経験を身につけていたとしても、いまのりつ子のいだいている憎しみと、嫉妬にうちかつことはできないだろう、と彼は思った。――しかしこのままではいけない、ここでなにか助言をしなければならない、と彼は気持をたて直したが、そのとき二人のうしろで、突然どなりだした者があった。

「おめえら、そこでなにをしてるだ」

訛りが違うので、すぐにはわからなかったが、振り返ってみて、そこに杖を突いて立っている老人をみつけるまでに、およその意味は察しがついた。

「弁当を喰べるところです」

「たったいま出ていけ」老人は隆二にみなまで云わせずに喚いた、「ここはおらの地所だ、よそ者のへえるところじゃあねえ、その水も堰へ戻すだ、ひとしずくだって飲むじゃあねえぞ」