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Japanische Klassiker mit Furigana

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おとうさんのみたにんぎょう

お父さんの見た人形

小川 未明

Lesen Sie お父さんの見た人形 (おとうさんのみたにんぎょう) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.705 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

それは、不思議な感じのする人形でした。そして、抱くと唄をうたうが、その声は、かなしいうちに、遠い、知らない国へ、人間の魂を誘っていったのであります。

「これを娘の土産に買っていってやろう……?」と、父親は、考えたのでした。そして、おばあさんに、価をたずねました。

「そのお人形は、高いのですよ。安ければ、もうとっくに、いくたりごらんになったかわかりませんから、売れましたのですけれど、あまり高いので、まだありますのですが、安くは売れない品です……。」

おばあさんは、その価をいいました。なるほど、その価は、あまりに高かったのでした。

「そんな高いものを、土産にしなくても、ほかにたくさんいいものがあろう……。」と、彼は思いましたから、

「おばあさん、ありがとう。また、考えて、もらいにきますから……。」と、父親は、人形をおばあさんに返して、その店から出ました。

「いつ、お父さんは、お帰りなさるだろうか。」

娘は、毎日、晩方の空をながめて、お父さんを思っていました。赤々と、海の方の、西の山を染めて、いくたびか、夕焼けは、燃え、そして、消えたのです。そのうちに、秋となりました。