Japanische Klassiker mit Furigana
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おとうさんのみたにんぎょう
お父さんの見た人形
小川 未明
Lesen Sie お父さんの見た人形 (おとうさんのみたにんぎょう) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 3.705 Zeichen · 8 Bildschirme
娘は、この時分から病気にかかったのです。おばあさんや、おじいさんの心づくしも、かいなく、だんだん病気は重るばかりでした。ちょうど、そのころ、父親は、航海から帰ってきました。
娘のやつれたようすを見て、父親は、心配しました。なぜ、もっと早く帰られなかったろう?
「さあ、これは、おみやげだよ。」といって、ポンカンや、ザボンや、そのほか、珍しいものをまくらもとに並べました。
娘は、それを手にとって、喜びました。そして、ザボンの香りをかぎますと、遠い南の国の匂いがしたのであります。
「お父さん、わたしも、こんな美しい果物のなっている、南の国へいってみたいわ。」といいました。
「それは、大きくなればゆけるとも、早く、病気をよくして、元気にならなければならない。」と、父親は、答えたのです。
「こんど、航海をしたら、いい人形をみやげに買ってきてあげよう。」
「どんな、お人形?」と、娘の目は、輝きました。
父親は、なぜ、あのとき、あの人形を買ってこなかったろう……と、後悔しました。あの人形は、珍しい、いい人形だった。あれを見たら、さぞ娘は、喜ぶことだろうと思ったからでした。