Japanische Klassiker mit Furigana
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『このこころのほこり』
『この心の誇り』
宮本 百合子
Lesen Sie 『この心の誇り』 (『このこころのほこり』) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 8.535 Zeichen · 17 Bildschirme
ブレークとの生活は彼女自身を、あらゆる面でこれまでより明瞭に自覚させることとなった。ブレークをもはや愛していないと云えば彼女の心の真実は云いあらわされない。愛してはいる。だが、彼の肉体はスーザンにとって考えたくないものとなったのである。
ソーニャやブレークの制作慾は、恋で燃さなければ消えるものであった。スーザンの創作の慾望は日常生活のすべての細々した経験が、その生命の根に流れ入ってそこからやみがたい再現の欲望となって湧いてくる。
スーザンが「アメリカ行進」という題でそれらの彫刻をひとまとめとして開いた展覧会は、多くの未完成な部分をもちながらもきわめて独自な命をもつものとして評価された。美術界の気むずかし屋、美術家連が癪にさわりながらその一言一言を気にかけずにいられない批評家のジョーゼフ・ハートさえ、彼女の作品の将来性と優れた資質とをみとめた。
今やソーニャを失って仕事への気力も欠いているブレークは、スーザンのその成功にたいして、よろこびを共にするよりは、嫉妬をおさえることが出来ない。スーザン自身は、しかし、芸術というものの永い行く手を感じている本能から目前の成功にたいしては沈着で、ジョーゼフ・ハートが彼女の作品の二つをメトロポリタン美術館に入れたいと申出たのも、作品の本質が一つ一つきりはなせないものだ