Japanische Klassiker mit Furigana
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さまようまちのさまよういえのさまようひとびと
さまよう町のさまよう家のさまよう人々
国枝 史郎
Lesen Sie さまよう町のさまよう家のさまよう人々 (さまようまちのさまよういえのさまようひとびと) von 国枝 史郎 (くにえだしろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 37.916 Zeichen · 75 Bildschirme
二十三
そうも私は云ってやりました。
二十三
彼女は礼を云いました。
すっかり安心している様子なのです。
この部屋も随分立派でした。
ソファー、アームチェア、ライチングデスク、それらの物は鞣革と、紫檀とで出来て居りました。
花卉を描いた優れた油絵、美女を描いた日本の版画、それらは名ある物でした。
桃色の絹の蓋を冠った、電気スタンドの軟い光が、ダブルベッドの純白の敷布を、催情的に色づけてもいました。
窓があって其窓にも、桃色のカーテンがかかっていました。
窓の向うを通って行く人の、ひそひそとした会話なども、おおらかに聞えて参りました。
「ラウンジダンスがはじまっているよ」
「そうね、行って踊りましょうよ」
などと話して行く者もあり、
「ね、今夜は飲み明かしましょうよ」
「うん、よかろう、シャンパンでも抜こう」
などと云って行く者もありました。
(さて是から何うしたものだ?)
私はここで考えました。
この女にオールナイトの玉をつけて、私一人だけがこの町を去って、日本領事館へ出かけて行って、この女――澄子の知己だという某書記官に事情を話し、それから官憲へ依頼して、この町から澄子を取り返すことは、何んでも無いことでありましたが、それでは余りに平凡であり、そうして私としてはそんなこと以外に、柵家に関するいろいろのことで、この「さま