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Japanische Klassiker mit Furigana

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しじみがし

しじみ河岸

山本 周五郎

Lesen Sie しじみ河岸 (しじみがし) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.438 Zeichen · 51 Bildschirme

Aozora Bunko

という、すべてがそんな調子だった。

――お絹自身が下手人だと主張するくらいだから、そう簡単にはゆかないに違いない。

律之助はそう覚悟してかかったのだが、この抵抗の強さには少なからずたじろいだ。それまでにわかったことは、卯之吉とお絹が恋仲でないにしても、かなり親しくしていたということ。また卯之吉は二十五にもなるのに、やむを得ないつきあい以外には酒もあまり飲まず、女遊びなどもしないので、なかまから変人扱いにされていた。などというくらいのことだけであった。

「二人を恋仲だったとしよう」雨のなかを歩きながら、律之助は呟いた、「そこへ誰かが割込んで、お絹の奪いあいになった、そうしてその男が卯之吉を殺した、――これがもっとも有りそうな条件だ、しかし、そうではない、二人が恋仲だったとすれば、卯之吉を殺されたお絹は相手に復讐するだろう、恋人を殺されたのに、自分が下手人などとなのって出るわけがない、どうしたってそんな理由があるわけがない」

彼は河岸っぷちで立停った。

「父さん」と彼は呟いた、「こいつは私の勘ちがいかもしれませんね」

はがね色によどんだ堀の水面が、やみまもなく降る雨粒のために、無数のこまかい輪を描き、そして陰鬱な灰色にけぶっていた。