Japanische Klassiker mit Furigana
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あじさい
たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集
佐藤 春夫
Lesen Sie たそがれの人間 佐藤春夫怪異小品集 (あじさい) von 佐藤 春夫 (さとうはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 41.277 Zeichen · 84 Bildschirme
それをなだめすかしてやめさせると、髑髏がいけないというならばというので路傍から石臼のかけを拾って来た。並大抵の力では両手でも持ち上げられないのを彼は細腕の片手で持ち上げて礫のように窓外へ投げようと身構えするのであった。我々は持てあまして電報で父兄の上京を促した。医師の診断の結果は当分病院に収容する必要があると認められた。次には平生病弱な東が、朝夕微熱を発していたのがまだしもせぬうちに喀血したとひとりで騒ぎはじめて人毎に衰弱を訴え、早晩生命はあるまいその証拠には毎晩就眠前に自分が映してみる鏡には自分ではない見も知らぬ蒼白な顔が映ると主張するのであった。これもどうやら精神状態が異常と思えた。
これ等の騒ぎが引きつづいて起りはじめた頃、或る晩石垣が下の主人の伝言だというので自分を茶の間へ呼びに来た。主人と主婦とが自分に相談があるというのだそうである。この時、石垣からはじめて聞いたが、本来この素人下宿の主婦というのはこの土地の芸者であるが、亭主持ちの中婆だから月に一度か二度ぐらいしか座敷がかからないので内職に素人下宿をはじめた者だという。はじめは東の知人から紹介されて、自分のガラクタが二室なり三室なりを占領するならその荷物の預り代だけでも借りられる適当な家の心当りがあるから、序に若い元気のいい連中を四五人も好意