Japanische Klassiker mit Furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme
いずれも、膝皮膚をきつくつねってみろ。
と、いうと苦労人である下僚が、
いやいやこれは有難き大恵でありましょう。天の神さまは、日ごろ吉野雀右衛門殿の慈悲を賞し、黄金象形の重宝を下し給ったに違いない。藩公に、生きた人間を奉るというのは、失礼に当たるという思し召しかも相知れません。
もっともの観察であると雀右衛門は、下僚の言葉に耳を傾けた。そこで、二つの黄金人形を錦の布に包み、香水をそそいで白木の箱に納めたのである。そして、小みどりの母に対しては娘が病死したことに告げて、過分の香料をとらせてやった。
瀧川一益の病気は、全快した。雀右衛門は例の白木の箱を捧げて藩公の膝下に伏して、過ぐる夜の狸退治の豪男物語りから、怪事続出、遂にかかる事実を入手した条を述べて、ひたすら一益の勘気平穏を乞い奉ったのである。
一益は、世にも寡聞の珍事なり、然らば貰って愛蔵することにしよう。と、鷹揚に答えて白木の箱を受け取った。
そして、金色燦然、またと得がたき人形の姿を見ようとして、箱の蓋を開けると、ひどき悪臭が一益の鼻を衝いた。一益の鼻の頭は曲がらんばかりになった。
でも、耐えて箱底を覗くと、金色燦爛などとは、まっかのいつわり。