Japanische Klassiker mit Furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme
僅か十八坪か二十坪の庭が、野菜の百貨店となった。
屋敷続きの畑には第一に馬鈴薯を植えた。それから茄子、トマト、蔓なし隠元、岩槻根深、小松菜、唐黍など。
そしてこの、園芸の師匠は本家の邦雄さんと呼ぶ農学校出の青年である。恐らく、この夏から秋にかけては、素晴らしい果菜が、山のように食膳を賑やかすことと思う。
楽しいものだ。おかげさまで、朝は四時に離床して、畑の土に覗き入り、蒔いた種のご機嫌を伺う。初夏は、朝が早い。私が、飽かず胡瓜の貝割葉に興を催していると、四時半には野州の山の端から、錦糸にまがう陽の光が散乱する。光景を受けた喜びに、物の葉が微風に震う。
夜七時が、夕めし。食べ終わると枯木が倒るるが如く、畳の上で大いびき。
合計百二、三十坪の野菜畑に過ぎないが、下肥汲みまでやるのであるから、なれぬからだには相当の労働だ。快く疲労すること、まことに健康そのものだ。
さて、種を蒔き、苗を植えたからといって二十日や一ヵ月で、収穫があるというものではない。しからば、畑から物がとれるまでの間、一体なにを食っているのかという問題になる。日常、配給を受けるものは米、味噌、醤油だけ。