Japanische Klassiker mit Furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme
ですから、やがてお前の身の上にも、その運命がめぐってくるのでありましょう」
「おばあさん、僕にも分かっています」
賢彌は、悄然と微笑した。
「ところでね賢彌、一人生まれて一人失うという歴史では、石坂家は未来永劫家族は増えませんね。ですからね、今度お前が嫁さんを貰うとき、一度に三人お嫁さんを迎えてくれないか。そして、一度に三人子供を生んでくれないものかね、ははは」
祖母は、悲しい話を笑いに紛らした。母のきみ女も傍らにこれをきいて眼をしばたたいた。
「おばあさん、僕一度に三人なんか嫁さんを貰うのはいやですね」
賢彌は、馬鹿々々しいといった顔で笑ったのである。
家族三人で囲んだ爐の榾火に、どこからともなく忍んできた隙間風が、ちょろちょろと吹いて過ぎた。
六
奥利根地方の温泉郷へ旅するとき、上野駅をたって高崎、新前橋、渋川駅と過ぎ、大利根川の鷺石鉄橋を渡ってから沼田駅を発車し、高橋お伝の生家のある後閑駅へくる少し手前で、汽車の窓から西方を眺めると、月夜野橋の下流数町の河原に、利根川へ合する大きな峡流を観るであろう。これが、赤谷川渓谷である。
赤谷川は、標高僅かに六千五百尺内外であるけれど、登山者の生命を奪うことで知られている上、上越国境の谷川岳と、その西に隣し万太郎山との間に割り込んだ深渓から源を発している水量豊富