Japanische Klassiker mit Furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme
そこで、わが輩が考案したのは、締め縄だ。針金の十八番線ほどのものの一方を輪にして、それを竹垣の内側の破れ目へ、吊るして置くのだ。すると、猫の奴、隣屋敷から、ひょいと体を伸ばして破れ目を飛び越える途端に、首を針金の輪へ突っ込む。苦し紛れに前進したり、もがいたりすればするほど、針金の輪が強く喉を締め、食い込んで、ついに一叫の悲鳴だにあげ得ずして、はかなき最後をとげる段取りになる。
凄き、手腕じゃの。
ところが、近ごろ猫の奴が少なくなったは困った。そして、近所の飼主がわが輩の挙動に着目して、うろんの眼でわが輩を見るには閉口だが、まだ一度も抗議は申し立ててこん。犬や豚と違って、猫はその筋へ登録してないのであるから、正面切ってわが輩に苦情を持ち込むちうわけには行かぬのであろうけれど、もし抗議があったらわが輩にも言い分はある。ちかごろはその抗議を密かに待っているような次第だ。
どんな言い分を持っちょるな。
先ごろからわが輩は竹垣の破れ目の傍らへ立札を立てた。猫族余が屋敷内へ入るべからず、もし侵したるときは、撲殺を蒙る虞れあるべし、世の飼主注意せよと書いた。