Japanische Klassiker mit Furigana
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あわもりものがたり
『たぬき汁』以後
佐藤 垢石
Lesen Sie 『たぬき汁』以後 (あわもりものがたり) von 佐藤 垢石 (さとうこうせき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 118.470 Zeichen · 244 Bildschirme
ついに熊は自ら舌を噛み切って死ぬ。
ところで、羆はどうかというと、これは油断もすきもならない。元来、羆は人間の肉が好きなのである。月の輪熊は、人間と睨み合ったとき、人間の方が瞳をそらすと、そのすきを狙って一目散に逃げだすが、羆の方はそうではない。遮二無二、人間の肉を食おうとして、あの巨大な掌と爪を、宙に掲げて人に迫ってくる。さすがのアイヌも、あの茶色の羆には恐れをなしているのである。
以上、だいぶ熊について知ったか振りを喋ったが、実は私はいままで一度も羆の肉だけは、食べたことがない。そこで羆はどんな味を持っているものか、と今夜馳せ参じたわけであるという挨拶だ。
次に、五条珠実嬢が立った。白粉を厚くつけているから、歳のところは分からぬが女にしては素晴らしい能弁である。先年、北海道への旅先で小熊に邂逅した件りから、金田一博士の指導により、神を敬うアイヌの心境を探ねつつあるわが気持ちを語る条など、ひどく味わいのある話であった。
最後に、アイヌの民謡「鳥になりたや」の一齣を唄ったのである。これは演舞場の公演で唄うのであるそうだけれど、珠実嬢は踊りばかりが専門であると思っていたところ、唄もえらく大したものだ。