Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
みずぐるま
みずぐるま
山本 周五郎
Lesen Sie みずぐるま von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 54 Bildschirme
そのときは東へ下る途中だったが、小田原城下で興行しているところへ、頼んでおいた宿からの手紙で、河内伊十郎の死んだことを知らせて来た。
――その赤児が若尾なのだ。と親方は云った。これまで詳しい話をしなかったのは、もし旅芸人のまま終るとすれば、侍の子などということは知らせないほうがいいと思ったからであるが、幸い弘田家へ引取られることになったので話す。これからは生れ変ったつもりで、弘田家の名を辱しめないように、りっぱな娘にならなければいけない。
臍緒書や系図は弘田家へ預けた。岩本一座とは、これで絶縁したと思え、そう云って孫右衛門は帰っていった。
――せめていちど、みんなに別れを告げさせてくれ。
若尾はそういって頼んだ、庄太夫のお産を見てからにしたい、とも云ったが、孫右衛門はこわい眼で睨みつけ「侍のお子が、そんなみれんなことでどうしますか」と叱りつけたまま、振向きもしないで帰っていった。
それから殆んど部屋にこもりきりで、食事も満足にとらず、若尾は独りで泣いてばかりいたが、七日めの朝、妻女の豊が来て、自分といっしょに朝餉を喰べようと云った。
「もう泣くのはたくさんでしょ」