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Japanische Klassiker mit Furigana

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みずぐるま

みずぐるま

山本 周五郎

Lesen Sie みずぐるま von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.077 Zeichen · 54 Bildschirme

Aozora Bunko

と豊は云った、「あちらにいるときは冗談がうまくって、みんなをよく笑わせたというではないの、さあ、機嫌を直していっしょにゆきましょう」

豊は四十一になる、痩せた小柄な躯つきで、顔色が悪く、眼にも力がなく、いかにも弱そうにみえた。

――お弱そうな方だわ。

若尾はいま初めて発見したような気持で、そう思いながら頬笑みかけた。

――お世話をやかせては悪いわ。

そして元気に頷いて立ちあがった。

「はい、御心配をかけて済みません、もう泣きませんから堪忍して下さい」

「それで結構よ、さあ、まいりましょう」

豊は眼を細めながら、やさしくなんども頷いた。若尾は少し尻下りの眼で笑いかけ、豊のそばへ寄りながら云った。

「奥さま、あたし負っていって差上げましょうか」

「え――」豊は眼をみはった。

「あたし力があるんですよ」と若尾は自慢そうに云った、「葛籠番の久助爺さんは足が悪いでしょ、ですからはばかりへゆくときはあたしが負ってあげるんです、奥さまは久助爺さんよりかも軽そうだから楽に負えますわ」

「まさかねえ」豊は笑いだした、「――でも有難う、わたしは大丈夫よ」そうして若尾をやさしく見て云った、「それから奥さまなんて云わないのよ、あなたは弘田の娘分になったんですからね、旦那さまのことは父上、わたしのことはお母さまと呼んでいいのよ」